フジテレビ系列で放送中の木曜劇場「いちばんすきな花」。
男女4人の主人公が描く友情と愛情の物語。今回はその第4話のあらすじと個人的な感想、そして今後のストーリーの考察もしていきたいと思います。
いちばんすきな花 第4話 あらすじ
深雪夜々(今田美桜)のアパートに母の沙夜子がやってきます。
突然訪れた母に何か用事があったのか問いかける夜々。母・沙夜子は「夜々に会いにくるって用事」とだけ答えると、夜々が着ているTシャツを見て「もっとかわいいの着なよ!」と言います。言われた夜々は、何か言いたいことを我慢するように言葉を飲み込みます…。
春木椿(松下洸平)は駅へと向かう途中、ゴミ置き場の瓶に花が生けてあるのに気づきました。それは、第3話で椿が小岩井純恋(臼田あさ美)に渡したものです。花に手を合わせて去ろうとすると、近所の住人に呼び止められ、今日は燃えるゴミの日ではないと注意された椿は、仕方なく職場へ持って行くことに。会社に持ってきて早々に萎れ始める花、それを見たオフィスの女性陣からは、哀れな視線を浴びていました。
そんな中、イラストの装丁の打ち合わせのため出版社を訪れていた佐藤紅葉(神尾楓珠)。エレベーターに乗ろうとすると、そこに椿の姿が。実は紅葉が訪れていたのは椿が勤める出版社だったわけです。(さすがドラマ!)
その頃、美容院で休憩をしていた夜々のスマホには沙夜子から「お夕飯なにがいい?」と連絡が入りました。本当は予定など無かったものの“友達と約束している”と返す夜々。すると、潮ゆくえ(多部未華子)から「今夜ヒマだったりする…?」と連絡が。
椿がおにぎりを「おむすび」と言ったり、ポケットのことを「ぽっけ」といったり、可愛いキャラの話で盛り上がります。そして、4人のLINEグループはチャットが盛り上がるようになっていき、4人の仲が深まっていっているようでした。
その翌日、夜々と夕飯を食べたかった母・沙夜子は、職場まで夜々を迎えに来ます。一緒に夕飯を食べ始めるも、4人のLINEグループでは椿の家でご飯を食べようと盛り上がり、チャットに夢中になる夜々。すると、それにいら立った沙夜子は、行儀が悪くなったのは椿たちのせいだと言い始めます。
椿たちを悪く言われ、我慢の限界に達した夜々は「この人たちはお母さんよりも私のことを分ろうとしてくれてる!」と家を飛び出して椿の家へ向かうのでした。
いちばんすきな花 第4話 感想
深雪夜々(今田美桜)のこれまでの過去や悩みにフォーカスされた第4話。
女の子が欲しかった母親からの、「女の子」の押し付けに苦しんできたこと、母親の期待(理想の女の子でいること)に応え続けることに苦しんできたことが明らかになりましたね。夜々が母親に「お兄たちが誰か一人でも女の子やったら、夜々は生まんかった?」と聞いた際、「そうやね~」と肯定したとき、母親の女の子への執着が明らかになりました。
女の子らしく過ごせなかった過去のある母・沙夜子は、女の子らしくあることに執着があり、そして自分の子供には絶対「女の子をさせるんだ」という気持ちがあったのでしょう。
こうした親からの一方的な押し付けは、性別だけでなくともあると思います。親自身の経験から、こうした方が良い、あぁした方が良い、と子供の意思を無視して一方的に決めつけたり、選択肢を無くすことってありませんか?決して子供のことをないがしろにしているわけではなく、子供のことを想っている気持ちはあるのでしょう。ですが、それが子供の意思を無視していたら、それはもうただの「押し付け」ですよね…。もちろん、子供の意思を全て尊重することが良いとは限りませんから、その見極めが大事なんだなと。
また、夜々が「女の子であることが辛い」と保健室の先生に相談したときのエピソードも考えさせられましたね。この相談内容に対して、LGBTの話だと決めつけて話を進めようとする…もっとその相談の真意を、その相談の背景を深堀する質問を先生ができていたら、きっと中学生時代の夜々に何かしらの救いがあったのかもしれません。
夜々がゆくえと話しているときのセリフ、
「【多数派】の辛いはワガママなんですかね?」
多数派の意見に沿っていることが辛い、つまりは多数派からはみ出すこと=少数派はワガママなの?という問いなんだと解釈しました。自分らしくいたい。でも、その自分らしさが少数派だったら、ワガママと言われてしまうのか。この世の生きづらさがテーマに組み込まれている本作において、一つの問いをここに感じながら観ていました。
最後には母に自分の気持ちを全て伝え、和解できた夜々。これからは母に対して正直に思いを言えて、過ごしていけると良いですね。
それにしても、椿の気の利かせ方がとても優しい。。
夜々が母のいる自宅を飛び出して椿宅に合流した時、夜々の様子がおかしいと感じ、ゆくえとアイコンタクトをするなり紅葉を連れてさっと外に出ていくあたり、さすが大人の優しい男性だと思いました!
いちばんすきな花 第4話 考察
さて、今後の展開を予想していきたいと思います。
男女4人(男2、女2)が主演の本作、男女の友情と恋愛がおそらく入ってくるだろうと思いつつも、世の中の「生きづらさ」といった社会的テーマがあり、この4人が恋愛関係になるのかどうかは、正直分かりませんでした。というか、別に4人が恋愛関係にならなくても、十分に成立する世界観とストーリーだなと思って観ています。
ですが、今回は少しそこに進展が出てきましたよね。
第4話の終盤、椿が夜々の美容院に来ましたね。カットにくるにはまだ早いのでは?と問いかける夜々に、「この辺がちょっと」と襟足を触って示す椿。きっと夜々のことが心配で、様子を見に来たんでしょう。
他愛のない話から、かたつむりのことを「でんでん虫」と言ってみたり、好きな花の話題では「いろんなの(花)に囲まれてたから、一番って決めちゃうのが申し訳なくて」という椿に、優しく笑みを浮かべて「椿さんっぽい」という夜々。距離がまた一つ近づいたのかな、と思わせる雰囲気でした。
というのも、そのあとに夜々は椿にこう言います。
「椿さん、もしうちの母親に合う機会があったら、26歳女子の椿ちゃんってことで押し通してください」
これって、第4話の前半で母親が4人のLINEグループのことをどういう関係か聞いてきたときに、とっさに夜々が「全員女子の友達」と嘘を付いてしまったことの回収シーンかなと思って観ていました。でも、もしかしたらもう1つの意味もあるのかなと。それは、夜々に彼氏ができたら「必ず紹介しなさい」と母親が言っていたシーンの回収でもあるのではないかと。つまり、夜々が椿さんに対して好意を持ち始めたからこそ出た言葉でもあるのかな、と考えます。
次に紅葉です。
第4話の終盤、紅葉のバイト先にやってくるゆくえ。バイト終わりにお茶しようとゆくえが紅葉が誘います。
紅葉が小5の時、高校3年生だったゆくえに絵をプレゼントした際、ゆくえがその絵を「好き」と言ってくれたことを思い出して語る紅葉。他の人が紅葉の絵を「上手だね」「才能あるね」といった褒め方をする中で、「好き」と表現してくれたことを嬉しそうに話します。
好きとか嫌いに理由なんていらない、そんな話をしている中、ゆくえが「椿さんは好きでしょ?夜々ちゃんも好きでしょ?ゆくえちゃんも好きでしょ?」と言ったとき、最後のところで言葉に詰まる紅葉。
そのあと紅葉が「ちゃんとご飯行こう」と誘ったことに「4人でね」と返すゆくえに、ちょっと寂しさを醸し出す紅葉…。もうこれはゆくえのことを紅葉は好き(LOVE)確定だろうという感じですね!
夜々→椿
紅葉→ゆくえ
という好意関係(夜々のはまだ怪しい部分もあるが)が出てきた第4話。特に紅葉のそれは間違いなく片思いフラグが立っている模様…。ゆくえは何も気づいてなさそうなので、今後どのタイミングで気づくのか、それとも最後まで言わないのか、今後の展開を楽しみにしていきましょう。
最後に
「いちばんすきな花」の最新話はTVerまたはFODで観ることができます。
見逃した方、繰り返し視聴したい方はぜひチェックしてみてください!